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はじめに

WordPressは広く使われるCMS(コンテンツ管理システム)で、W3Techsの統計によれば、2019年3月時点で世界のトップ1,000万サイトの3分の1がWordPressになったそうです。その利用方法は多岐に渡り、利用者も技術者を抱える大企業から、カフェのオーナーまで様々です。

WordPressがそこまでの人気を博すようになった原因はいくつかあるでしょうが、豊富なテーマとプラグインを抜きにして語ることはできません。お問い合わせフォームやXMLサイトマップ、画像による美しいスライドショーなど、たくさんの機能があっという間に実現できてしまいます。ECサイトや会員制掲示板でさえ簡単に作ることができます。

そう、様々な人が、様々な目的のために、様々な方法でWordPressを利用しているのです。それも、信じられない数の人々が。

本書はWordPress開発におけるテスト手法についての入門書です。Webプログラミングの世界において、テストは一般的な品質管理の手法ですが、WordPressではその独特のエコシステムからテストを始めるまでのハードルが少し高いといえるでしょう。また、そもそもテストを行っていないという開発者も少なくありません。

そもそも、WordPress本体には山ほどのテストが導入されています。リリース前のRCテスト(本格リリースの前に先進的な利用者が人柱として使い始めること)まで含めれば、世界で最もテストされているソフトウェアといっても過言ではないかもしれません。本書ではそんなコアの取り組みからエッセンスを引き継ぎつつ、先進的な取り組みをする開発者たちの手法を紹介します。

本書の想定読者はプログラミングについて一定の知識を持っているWebサイト開発者です。CLI(コマンドラインインターフェース=黒い画面)に不慣れな方は、2章と3章を飛ばしてから読むとわかりやすいかもしれません。

それでは、本書がWordPress開発にテストを導入するための一助となれば幸いです。

本コンテンツは、2019年の技術書展にて大変好評いただきました「WordPress テスト入門」のWeb版となります。

以下の章で構成されており、2章以降は会員登録をしていただくことでお読みいただけます。

  • はじめに
  • 1章: WordPress におけるテストとは
  • 2章: 単体テスト
  • 3章: e2e テスト
  • 4章: モックアップテスト
  • 5章: 継続的インテグレーション
  • おわりに: なんのためのテストか?